時代小説好きが「これは良くできてる!」と言った小説ランキング

いつの時代も人間が求め続けているもの、愛。ランキングの小説にはそれがあります。

時代が変わっても人の本質は変わらない。人間だからこそ大事なものがあると感じているあなたのための小説ランキングです。

口コミ点数について
各口コミの点数は、書いた人の”きもち”を当社独自の言語解析システムで点数化したものです
…もっと見る

小説十八史略
5.34pt
クチコミ数29
中国の南宋滅亡時代までの偉人について、単なる文献的記述ではなく、小説仕立てにしてありますので、それぞれの時代の登場人物がいきいきと感じられ、読みやすくなっています。また、本作品は史実に忠実ではなく、創作された時代小説ですが、その分、中国の歴史に興味を持てるような表現になっているのが印象的です。中国の歴史的人物のエピソードを知る入口として、最適の時代小説です。
中国の南宋滅亡時代までの偉人について、単なる文献的記述ではなく、小説仕立てにしてありますので、それぞ…もっと見る
中国の南宋滅亡時代までの偉人について、単なる文献的記述ではなく、小説仕立てにしてありますので、それぞれの時代の登場人物がいきいきと感じられ、読みやすくなっています。また、本作品は史実に忠実ではなく、創作された時代小説ですが、その分、中国の歴史に興味を持てるような表現になっているのが印象的です。中国の歴史的人物のエピソードを知る入口として、最適の時代小説です。…元に戻す
あいうえおさん 12.93pt
言わずとしれた陳舜臣氏の名著。新カバーの新書がでて大分経つが、最近になってまとめ買い。一気に再読した。 「歴史は繋がっている」というのは当たり前の話であるが、大衆歴史小説はどうしてもその人物に入れ込みすぎて視野が狭くなる。 本書は中国の長いダイナミックな歴史の流れをその時代、時代の人物を描きながらも、繋がった史実として見事に表現している。もちろん、取り上げられる人物や事件は関心のあることが多くなるが、それでも、歴史の継続性や関連性を損なわずになおかつ、娯楽小説として描くというのは相当な力技と思える。 「三国志」や「項羽と劉邦」の時代に詳しい人がどれだけ商・周・東周・春秋戦国・秦・前漢・新・後漢・魏・呉・蜀・西晋・東晋・・と言えるだろうか。本書の読者は繋がった中国の歴史を娯楽として味わうことができる。同時に知らなかった中国の歴史の奥行きに新しい好奇心を触発されることは疑いない。・・・推薦文みたいになりましたが、お薦めです。
言わずとしれた陳舜臣氏の名著。新カバーの新書がでて大分経つが、最近になってまとめ買い。一気に再読した…もっと見る
言わずとしれた陳舜臣氏の名著。新カバーの新書がでて大分経つが、最近になってまとめ買い。一気に再読した。 「歴史は繋がっている」というのは当たり前の話であるが、大衆歴史小説はどうしてもその人物に入れ込みすぎて視野が狭くなる。 本書は中国の長いダイナミックな歴史の流れをその時代、時代の人物を描きながらも、繋がった史実として見事に表現している。もちろん、取り上げられる人物や事件は関心のあることが多くなるが、それでも、歴史の継続性や関連性を損なわずになおかつ、娯楽小説として描くというのは相当な力技と思える。 「三国志」や「項羽と劉邦」の時代に詳しい人がどれだけ商・周・東周・春秋戦国・秦・前漢・新・後漢・魏・呉・蜀・西晋・東晋・・と言えるだろうか。本書の読者は繋がった中国の歴史を娯楽として味わうことができる。同時に知らなかった中国の歴史の奥行きに新しい好奇心を触発されることは疑いない。・・・推薦文みたいになりましたが、お薦めです。…元に戻す
彰義隊
4.86pt
クチコミ数11
江戸時代末期に自らの意思とは裏腹に朝敵の汚名を受けた切ない皇族の物語なので、その時代に生きた人々の思いをリアルに受け止めることができます。歴史に忠実で、その描写も細部にわたっているため、あたかも目前で行われているような臨場感を感じさせる時代小説になっています。激動の時代であるにも関わらず、自らの意思を貫こうと試みるも貫徹できなかった虚しさが感じられる作品です。
江戸時代末期に自らの意思とは裏腹に朝敵の汚名を受けた切ない皇族の物語なので、その時代に生きた人々の思…もっと見る
江戸時代末期に自らの意思とは裏腹に朝敵の汚名を受けた切ない皇族の物語なので、その時代に生きた人々の思いをリアルに受け止めることができます。歴史に忠実で、その描写も細部にわたっているため、あたかも目前で行われているような臨場感を感じさせる時代小説になっています。激動の時代であるにも関わらず、自らの意思を貫こうと試みるも貫徹できなかった虚しさが感じられる作品です。…元に戻す
イックさん 11.72pt
私は一時期新撰組に嵌っていてその関係で江戸の幕末から明治の初めにかけての時代小説はかなりいろいろ読み込みました。新撰組側だけではなく長州側の高杉晋作を主人公にしたものだったり、皇族にも関わらず戊辰戦争で朝敵として戦った上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王を描いた彰義隊もその1つです。物語の舞台は鳥羽伏見の戦いに敗れたところからスタートします。彰義隊には元新撰組の隊士も何人か参加したとされていますが、幕末はまさしく波乱の時代であり、勝者の視点からみるか敗者の視点から歴史を見るかで全然違った物語となるので非常に興味深いと言えます。史実は1つですが、物語はそうではないのです。この物語の主人公はまさに時代に翻弄された人であり過酷な時代を生きた人だからこそ読んでいて魅せられたということが出来ます。
私は一時期新撰組に嵌っていてその関係で江戸の幕末から明治の初めにかけての時代小説はかなりいろいろ読み…もっと見る
私は一時期新撰組に嵌っていてその関係で江戸の幕末から明治の初めにかけての時代小説はかなりいろいろ読み込みました。新撰組側だけではなく長州側の高杉晋作を主人公にしたものだったり、皇族にも関わらず戊辰戦争で朝敵として戦った上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王を描いた彰義隊もその1つです。物語の舞台は鳥羽伏見の戦いに敗れたところからスタートします。彰義隊には元新撰組の隊士も何人か参加したとされていますが、幕末はまさしく波乱の時代であり、勝者の視点からみるか敗者の視点から歴史を見るかで全然違った物語となるので非常に興味深いと言えます。史実は1つですが、物語はそうではないのです。この物語の主人公はまさに時代に翻弄された人であり過酷な時代を生きた人だからこそ読んでいて魅せられたということが出来ます。…元に戻す
最後の将軍―徳川慶喜
4.7pt
クチコミ数30
江戸時代最後の将軍として、就任してわずか2年で幕府を葬る苦しみが司馬遼太郎独特のタッチで描かれており、その説得力と描写の素晴らしさに、まるでその時代にタイムスリップしたかのように感じさせられます。江戸時代の最後の将軍としての苦悩は想像を絶し、自らの手で江戸時代と幕府を終わらせる決意までもが臨場感たっぷりに描かれている名作ですので、誰が読んでもその世界に没頭できます。
江戸時代最後の将軍として、就任してわずか2年で幕府を葬る苦しみが司馬遼太郎独特のタッチで描かれており…もっと見る
江戸時代最後の将軍として、就任してわずか2年で幕府を葬る苦しみが司馬遼太郎独特のタッチで描かれており、その説得力と描写の素晴らしさに、まるでその時代にタイムスリップしたかのように感じさせられます。江戸時代の最後の将軍としての苦悩は想像を絶し、自らの手で江戸時代と幕府を終わらせる決意までもが臨場感たっぷりに描かれている名作ですので、誰が読んでもその世界に没頭できます。…元に戻す
pipipapaさん 14.94pt
徳川慶喜は、第15代将軍であり、大政奉還を行い、江戸時代に終止符を打った人物として有名です。この本を読むまでは、徳川慶喜イコール大政奉還という中学校の歴史の知識しか持っていませんでした。明治維新自体も、大政奉還がなければ成し遂げられなかったはずであり、明治維新がなければ、日本もインドや東南アジアのように植民地化されていた可能性が高く、徳川慶喜こそが、現在の日本を作った立役者ではないかと思っていました。しかし、歴史は常に勝者の視点でしか語られず、徳川慶喜という男は、薩長の圧力に負けて、江戸時代を終焉させてしまったヘタレな男だと思っていました。そんなとき司馬遼太郎の小説に徳川慶喜の本があることを知り、徳川慶喜という男の先を見据える能力、行動力、人材を見抜く力には驚かされました。もし、徳川慶喜という男がいなければ、日本は間違いなく欧米列強の植民地とされたことは間違いありません。彼がいたからこそ、日本は大きな内乱状態とならずに速やかに明治維新が成し遂げられたのだと思います。ただ惜しむらくは、第二次長州戦争と戊辰戦争の始末です。もう少し時間があれば、幕府の洋風軍隊化が完成し、余計な戦争をせずに済ませることができたのではないかと思います。孤軍奮闘し、現在の日本の礎を築いた男として、維新三傑と同じくらい、評価されてもいい男だと思います。とても面白く、歴史の勉強になる本でした。
徳川慶喜は、第15代将軍であり、大政奉還を行い、江戸時代に終止符を打った人物として有名です。この本を…もっと見る
徳川慶喜は、第15代将軍であり、大政奉還を行い、江戸時代に終止符を打った人物として有名です。この本を読むまでは、徳川慶喜イコール大政奉還という中学校の歴史の知識しか持っていませんでした。明治維新自体も、大政奉還がなければ成し遂げられなかったはずであり、明治維新がなければ、日本もインドや東南アジアのように植民地化されていた可能性が高く、徳川慶喜こそが、現在の日本を作った立役者ではないかと思っていました。しかし、歴史は常に勝者の視点でしか語られず、徳川慶喜という男は、薩長の圧力に負けて、江戸時代を終焉させてしまったヘタレな男だと思っていました。そんなとき司馬遼太郎の小説に徳川慶喜の本があることを知り、徳川慶喜という男の先を見据える能力、行動力、人材を見抜く力には驚かされました。もし、徳川慶喜という男がいなければ、日本は間違いなく欧米列強の植民地とされたことは間違いありません。彼がいたからこそ、日本は大きな内乱状態とならずに速やかに明治維新が成し遂げられたのだと思います。ただ惜しむらくは、第二次長州戦争と戊辰戦争の始末です。もう少し時間があれば、幕府の洋風軍隊化が完成し、余計な戦争をせずに済ませることができたのではないかと思います。孤軍奮闘し、現在の日本の礎を築いた男として、維新三傑と同じくらい、評価されてもいい男だと思います。とても面白く、歴史の勉強になる本でした。…元に戻す
真田太平記
4.33pt
クチコミ数25
10冊以上にわたる長編時代小説ですが、さすが池波正太郎の作品です。全く退屈することなく読み続けられます。納められているのは戦国の時代からその終焉までと長い期間ですが、全ての登場人物の人柄が手に取るように分かります。また、時代小説にありがちな史実だけを追求した作品ではなく、創作もされていますので、ストーリーに盛り上がりのある作品になっています。時代小説を存分に楽しみたい方にお勧めの一冊です。
10冊以上にわたる長編時代小説ですが、さすが池波正太郎の作品です。全く退屈することなく読み続けられま…もっと見る
10冊以上にわたる長編時代小説ですが、さすが池波正太郎の作品です。全く退屈することなく読み続けられます。納められているのは戦国の時代からその終焉までと長い期間ですが、全ての登場人物の人柄が手に取るように分かります。また、時代小説にありがちな史実だけを追求した作品ではなく、創作もされていますので、ストーリーに盛り上がりのある作品になっています。時代小説を存分に楽しみたい方にお勧めの一冊です。…元に戻す
またべえさん 11.16pt
戦国武将の中でも人気が高い真田幸村ですが、その幸村と兄信之、父昌幸が強敵に囲まれた戦国時代を生き延びていく生涯を描いた名作だと思います。真田家に仕える忍を使い、特に徳川家康とは3度大きな戦を行い最後まで苦しめたことは有名だと思います。有名な真田十勇士ではなく、女の忍びお江をメインとした忍者どおしの戦いも見どころの一つです。全12巻という長編歴史小説ですが、最後まで手に汗握る展開が続き、大きな戦の場面では戦場での様子が頭に浮かび、鳥肌が立つことも数回ありました。関ヶ原前に昌幸と幸村が徳川側につく信之と別れるシーンは胸を打ちました。ただ単に歴史の流れや出来事を書いているだけでなく、真田家の家族関係やその他武将との人間関係、忍びである忍者たちとの関係など人間関係も細かに描かれており、歴史小説として最高のシリーズだと思います。
戦国武将の中でも人気が高い真田幸村ですが、その幸村と兄信之、父昌幸が強敵に囲まれた戦国時代を生き延び…もっと見る
戦国武将の中でも人気が高い真田幸村ですが、その幸村と兄信之、父昌幸が強敵に囲まれた戦国時代を生き延びていく生涯を描いた名作だと思います。真田家に仕える忍を使い、特に徳川家康とは3度大きな戦を行い最後まで苦しめたことは有名だと思います。有名な真田十勇士ではなく、女の忍びお江をメインとした忍者どおしの戦いも見どころの一つです。全12巻という長編歴史小説ですが、最後まで手に汗握る展開が続き、大きな戦の場面では戦場での様子が頭に浮かび、鳥肌が立つことも数回ありました。関ヶ原前に昌幸と幸村が徳川側につく信之と別れるシーンは胸を打ちました。ただ単に歴史の流れや出来事を書いているだけでなく、真田家の家族関係やその他武将との人間関係、忍びである忍者たちとの関係など人間関係も細かに描かれており、歴史小説として最高のシリーズだと思います。…元に戻す
大君 の通貨―幕末円ドル戦争
4.03pt
クチコミ数15
江戸時代、幕末に幕府が崩壊したのは、日本が通貨政策の重要性を理解しておらず、その時代のアメリカやイギリスの大使につけ込まれたからだとする非常にユニークな切り口で、楽しませてくれます。現代であればあたりまえの通貨政策の重要性が良く分かり、説得力がある時代小説になっています。通貨政策や経済についてのシミュレーションをしながら読むこともこの時代小説の楽しみ方の一つです。
江戸時代、幕末に幕府が崩壊したのは、日本が通貨政策の重要性を理解しておらず、その時代のアメリカやイギ…もっと見る
江戸時代、幕末に幕府が崩壊したのは、日本が通貨政策の重要性を理解しておらず、その時代のアメリカやイギリスの大使につけ込まれたからだとする非常にユニークな切り口で、楽しませてくれます。現代であればあたりまえの通貨政策の重要性が良く分かり、説得力がある時代小説になっています。通貨政策や経済についてのシミュレーションをしながら読むこともこの時代小説の楽しみ方の一つです。…元に戻す
たかはしいさむさん 10.6pt
ペリー来航から倒幕、明治維新といった時代の流れにおいて、歴史の教科書では多くを語られなかった大きな戦いがありました。それが、この本の副題にもなっている幕末円ドル戦争です。日米和親条約が結ばれた後、欧米諸国と日本における金銀の価値の違いによって日本から大量の金が諸外国に流出してしまいます。それらが幕府の財政を揺るがしたことは言うまでもないのですが、ここに焦点を充てた時代小説はあまり類を見ないのではないかと思います。この小説では、米国公使・ハリスと英国公使オルコックを中心として条約に明記されている同種同量の考えと、幕府側の財政立て直しを図った通貨政策(通貨の質を落とした)において、欧米諸国と幕府のぶつかり合いが描かれています。史実の通り、為替に対する理解の不足が幕府を大きく傾かせることになるのですが、長年鎖国によって他国の干渉を拒んでいた幕府には到底太刀打ちできる問題ではなかったのでしょう。「為替」は、他国との関わりのなかでは絶対に切り離すことのできないものです。以前にもましてグローバルが叫ばれている今の世において、為替の仕組みを理解するとう意味でも本書のもつ役割は大きいのではないでしょうか。
ペリー来航から倒幕、明治維新といった時代の流れにおいて、歴史の教科書では多くを語られなかった大きな戦…もっと見る
ペリー来航から倒幕、明治維新といった時代の流れにおいて、歴史の教科書では多くを語られなかった大きな戦いがありました。それが、この本の副題にもなっている幕末円ドル戦争です。日米和親条約が結ばれた後、欧米諸国と日本における金銀の価値の違いによって日本から大量の金が諸外国に流出してしまいます。それらが幕府の財政を揺るがしたことは言うまでもないのですが、ここに焦点を充てた時代小説はあまり類を見ないのではないかと思います。この小説では、米国公使・ハリスと英国公使オルコックを中心として条約に明記されている同種同量の考えと、幕府側の財政立て直しを図った通貨政策(通貨の質を落とした)において、欧米諸国と幕府のぶつかり合いが描かれています。史実の通り、為替に対する理解の不足が幕府を大きく傾かせることになるのですが、長年鎖国によって他国の干渉を拒んでいた幕府には到底太刀打ちできる問題ではなかったのでしょう。「為替」は、他国との関わりのなかでは絶対に切り離すことのできないものです。以前にもましてグローバルが叫ばれている今の世において、為替の仕組みを理解するとう意味でも本書のもつ役割は大きいのではないでしょうか。…元に戻す
用心棒日月抄
3.94pt
クチコミ数24
藤沢周平の時代小説だけあって、どの人物もいきいきと描かれています。その時代、用心棒をしていた主人公の周囲の人々の生活がどんなものだったか良く分かります。また、忠臣蔵の事件は、その時代の人々にとってどんな事件だったのかが、事件の当事者以外の視点で書かれていますので、新鮮な感覚で読むことができます。藤沢周平の時代小説独特の空気感を楽しみながら忠臣蔵を楽しめる、読み応えのある作品です。
藤沢周平の時代小説だけあって、どの人物もいきいきと描かれています。その時代、用心棒をしていた主人公の…もっと見る
藤沢周平の時代小説だけあって、どの人物もいきいきと描かれています。その時代、用心棒をしていた主人公の周囲の人々の生活がどんなものだったか良く分かります。また、忠臣蔵の事件は、その時代の人々にとってどんな事件だったのかが、事件の当事者以外の視点で書かれていますので、新鮮な感覚で読むことができます。藤沢周平の時代小説独特の空気感を楽しみながら忠臣蔵を楽しめる、読み応えのある作品です。…元に戻す
あいうえおさん 10.06pt
「用心棒日月抄シリーズ」第一作。人々が時代小説に求める活劇、江戸の人情・笑い、お家騒動、その中での武士の生き様等の諸要素を全て味わえる傑作。NHKでドラマ化されたが、藤沢ファンの間では評判が悪かったようだ。主人公の青江又八郎はお家の事情で藩を離れ、江戸の長屋で浪人生活。腕は立つし、清廉な性格が魅力的。同じ長屋の女郎の頼みを聞くなど人情にも厚い。だが、密命下のため、用心棒稼業で糊口を凌ぐ毎日。又八郎に仕事を紹介する口入屋吉蔵の狸親父ぶり、用心棒仲間の細谷の自堕落だが、どこか憎めない愛嬌が話にユーモア味を加えている。物語は各々ある事件を核とした短編から構成されるが、各話は単なる襲撃相手との対決(これも面白いが)に終らず、落とし話的要素も盛り込まれており、スリルとユーモアを兼ね備えた起伏のある展開になっている。更に、背後に忠臣蔵の影を覗かせると言う洒脱な趣向。そして、物語の後半に登場する佐知と言う謎の女忍者がこれまた魅力的(シリーズの最後まで準主役)。本妻と佐知、藩と江戸、武士と浪人、剣劇と人情、武家社会と市井の生活。様々な対立軸を巧みに組み合わせて、何より読んで楽しい物語に仕上げている点が素晴らしい。時代小説の面白さのエッセンスを凝縮して詰め込んだ、藤沢作品を代表する傑作。
「用心棒日月抄シリーズ」第一作。人々が時代小説に求める活劇、江戸の人情・笑い、お家騒動、その中での武…もっと見る
「用心棒日月抄シリーズ」第一作。人々が時代小説に求める活劇、江戸の人情・笑い、お家騒動、その中での武士の生き様等の諸要素を全て味わえる傑作。NHKでドラマ化されたが、藤沢ファンの間では評判が悪かったようだ。主人公の青江又八郎はお家の事情で藩を離れ、江戸の長屋で浪人生活。腕は立つし、清廉な性格が魅力的。同じ長屋の女郎の頼みを聞くなど人情にも厚い。だが、密命下のため、用心棒稼業で糊口を凌ぐ毎日。又八郎に仕事を紹介する口入屋吉蔵の狸親父ぶり、用心棒仲間の細谷の自堕落だが、どこか憎めない愛嬌が話にユーモア味を加えている。物語は各々ある事件を核とした短編から構成されるが、各話は単なる襲撃相手との対決(これも面白いが)に終らず、落とし話的要素も盛り込まれており、スリルとユーモアを兼ね備えた起伏のある展開になっている。更に、背後に忠臣蔵の影を覗かせると言う洒脱な趣向。そして、物語の後半に登場する佐知と言う謎の女忍者がこれまた魅力的(シリーズの最後まで準主役)。本妻と佐知、藩と江戸、武士と浪人、剣劇と人情、武家社会と市井の生活。様々な対立軸を巧みに組み合わせて、何より読んで楽しい物語に仕上げている点が素晴らしい。時代小説の面白さのエッセンスを凝縮して詰め込んだ、藤沢作品を代表する傑作。…元に戻す
口コミ点数について
各口コミの点数は、書いた人の”きもち”を当社独自の言語解析システムで点数化したものです
…もっと見る