新着ランキング
犯罪のカラクリが暴かれる衝撃や意外性でも堪能できる。それが警察小説ランキングの作品です。
第三の時効
横山秀夫の警察小説はどれを読んでも面白いです。この第三の時効も例外ではありません。少し異なるのは話が続いているとはいえ6編の短編で構成されているところでしょうか。実際の小説の中の登場人物はほかの小説でも出てくるキャラクターです。ある県警の警察の物語。面白いのが警察の同じ署内の縄張り争いやプライドをかけた捜査が結局、犯人逮捕につながっていくという流れがあります。捜査一係の班長や課長をはじめとした警官の異様に強いキャラクター。非常に面白い設定です。特にこの小説については継続しているとはいいながらも短編で読めますのでまだ、横山秀夫の警察小説を読んだことがないという方に、最初の一冊としておすすめしたい一冊です。
64(ロクヨン)
過去の事件とそれを模倣した事件を軸に、警察内部の人間関係、記者クラブとの駆け引きなどを通して真相を解明していく小説です。刑事の立場で描かれる作品は多くありますが、この小説の面白いところは警察の広報官に焦点を当てているところです。よくある謎解き小説や一人のヒーローが事件に立ち向かう勧善懲悪の小説と違い、複雑な人間関係やもどかしさが実生活と重なり物語の世界に強烈に引き込まれます。ノンキャリア、キャリアの確執、ミスの隠ぺいなど警察組織の闇と信念を貫こうとした人々の思いに大切なものは何か思い知らされます。それぞれの思惑とそれに翻弄される主人公、綿密に計算された設定と展開にあっという間に読んでしまいました。
深追い
警察小説の名手、横山秀夫の七つの短編集である。どの作品も現場で働く警察官の苦悩や悲哀を、緻密な心理描写で書き記している。警察という閉ざされた空間に生きる人間に課せられた厳しい戒律と人間本来の欲望が複雑に絡み合い、得も言われぬ葛藤と軋轢を生み出していく。表現が、実に巧みだ。公務員としての安定した生活。国家権力を与えられた人間の横柄さ。しかし、警察官も警察官である前に一人の人間なんだ、こんな檻から抜け出してもいい。そう思ってしまう警察官の決断までの心の動きを著者一流の冷徹な文章で書き尽くしている。どの短編にも警察官の人間臭さが存分に描かれていて素晴らしいと思うが、敢えて私の最も好きな短編を上げさせて頂くなら、やはり表題作の『深追い』だろうか。ミステリー性よりもストーリー展開重視で、読者の想像力にエンディングを委ねる作風もいい。とにかく、珠玉の警察小説であることは間違いない。
みんながおすすめの歴史小説ランキングには、人として知っておくべきことがたくさんあります。
信長燃ゆ
宗教に代表される中世的権威をとことん破壊し、近代日本社会の基盤をつくったのは織田信長である。信長なかりせば、近代日本の歴史はよほど違っていたものになっていたことは間違いない。作家の塩野七生氏も「信長が日本に政教分離を確立した」と高く評価しておられるが、信長が「第六天魔王」と罵詈讒謗を受けながら強行した一連の「対宗教戦争」によって、日本では政治権力が宗教に優越することが確定した。実に西欧における政教分離原則の確立に先立つこと200年である。その日本史上に輝く巨星が、権勢の絶頂において、部下の頭を張り倒したことくらいで殺されるものだろうか? 本能寺の変の「光秀怨恨説」には、昔から胡散臭いものがあった。本書は、信長がなぜ失墜しなければならなかったかを、最新の歴史研究の成果も踏まえ、あますところなく描いている。本書の説が歴史の真実であるかどうかは、わからない。だが、十二分に説得的であり、何より小説として抜群に面白いのだ!!
小説十八史略
言わずとしれた陳舜臣氏の名著。新カバーの新書がでて大分経つが、最近になってまとめ買い。一気に再読した。 「歴史は繋がっている」というのは当たり前の話であるが、大衆歴史小説はどうしてもその人物に入れ込みすぎて視野が狭くなる。 本書は中国の長いダイナミックな歴史の流れをその時代、時代の人物を描きながらも、繋がった史実として見事に表現している。もちろん、取り上げられる人物や事件は関心のあることが多くなるが、それでも、歴史の継続性や関連性を損なわずになおかつ、娯楽小説として描くというのは相当な力技と思える。 「三国志」や「項羽と劉邦」の時代に詳しい人がどれだけ商・周・東周・春秋戦国・秦・前漢・新・後漢・魏・呉・蜀・西晋・東晋・・と言えるだろうか。本書の読者は繋がった中国の歴史を娯楽として味わうことができる。同時に知らなかった中国の歴史の奥行きに新しい好奇心を触発されることは疑いない。・・・推薦文みたいになりましたが、お薦めです。
最後の将軍―徳川慶喜
徳川慶喜は、第15代将軍であり、大政奉還を行い、江戸時代に終止符を打った人物として有名です。この本を読むまでは、徳川慶喜イコール大政奉還という中学校の歴史の知識しか持っていませんでした。明治維新自体も、大政奉還がなければ成し遂げられなかったはずであり、明治維新がなければ、日本もインドや東南アジアのように植民地化されていた可能性が高く、徳川慶喜こそが、現在の日本を作った立役者ではないかと思っていました。しかし、歴史は常に勝者の視点でしか語られず、徳川慶喜という男は、薩長の圧力に負けて、江戸時代を終焉させてしまったヘタレな男だと思っていました。そんなとき司馬遼太郎の小説に徳川慶喜の本があることを知り、徳川慶喜という男の先を見据える能力、行動力、人材を見抜く力には驚かされました。もし、徳川慶喜という男がいなければ、日本は間違いなく欧米列強の植民地とされたことは間違いありません。彼がいたからこそ、日本は大きな内乱状態とならずに速やかに明治維新が成し遂げられたのだと思います。ただ惜しむらくは、第二次長州戦争と戊辰戦争の始末です。もう少し時間があれば、幕府の洋風軍隊化が完成し、余計な戦争をせずに済ませることができたのではないかと思います。孤軍奮闘し、現在の日本の礎を築いた男として、維新三傑と同じくらい、評価されてもいい男だと思います。とても面白く、歴史の勉強になる本でした。
いつの時代も人間が求め続けているもの、愛。ランキングの小説にはそれがあります。
小説十八史略
言わずとしれた陳舜臣氏の名著。新カバーの新書がでて大分経つが、最近になってまとめ買い。一気に再読した。 「歴史は繋がっている」というのは当たり前の話であるが、大衆歴史小説はどうしてもその人物に入れ込みすぎて視野が狭くなる。 本書は中国の長いダイナミックな歴史の流れをその時代、時代の人物を描きながらも、繋がった史実として見事に表現している。もちろん、取り上げられる人物や事件は関心のあることが多くなるが、それでも、歴史の継続性や関連性を損なわずになおかつ、娯楽小説として描くというのは相当な力技と思える。 「三国志」や「項羽と劉邦」の時代に詳しい人がどれだけ商・周・東周・春秋戦国・秦・前漢・新・後漢・魏・呉・蜀・西晋・東晋・・と言えるだろうか。本書の読者は繋がった中国の歴史を娯楽として味わうことができる。同時に知らなかった中国の歴史の奥行きに新しい好奇心を触発されることは疑いない。・・・推薦文みたいになりましたが、お薦めです。
彰義隊
私は一時期新撰組に嵌っていてその関係で江戸の幕末から明治の初めにかけての時代小説はかなりいろいろ読み込みました。新撰組側だけではなく長州側の高杉晋作を主人公にしたものだったり、皇族にも関わらず戊辰戦争で朝敵として戦った上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王を描いた彰義隊もその1つです。物語の舞台は鳥羽伏見の戦いに敗れたところからスタートします。彰義隊には元新撰組の隊士も何人か参加したとされていますが、幕末はまさしく波乱の時代であり、勝者の視点からみるか敗者の視点から歴史を見るかで全然違った物語となるので非常に興味深いと言えます。史実は1つですが、物語はそうではないのです。この物語の主人公はまさに時代に翻弄された人であり過酷な時代を生きた人だからこそ読んでいて魅せられたということが出来ます。
最後の将軍―徳川慶喜
徳川慶喜は、第15代将軍であり、大政奉還を行い、江戸時代に終止符を打った人物として有名です。この本を読むまでは、徳川慶喜イコール大政奉還という中学校の歴史の知識しか持っていませんでした。明治維新自体も、大政奉還がなければ成し遂げられなかったはずであり、明治維新がなければ、日本もインドや東南アジアのように植民地化されていた可能性が高く、徳川慶喜こそが、現在の日本を作った立役者ではないかと思っていました。しかし、歴史は常に勝者の視点でしか語られず、徳川慶喜という男は、薩長の圧力に負けて、江戸時代を終焉させてしまったヘタレな男だと思っていました。そんなとき司馬遼太郎の小説に徳川慶喜の本があることを知り、徳川慶喜という男の先を見据える能力、行動力、人材を見抜く力には驚かされました。もし、徳川慶喜という男がいなければ、日本は間違いなく欧米列強の植民地とされたことは間違いありません。彼がいたからこそ、日本は大きな内乱状態とならずに速やかに明治維新が成し遂げられたのだと思います。ただ惜しむらくは、第二次長州戦争と戊辰戦争の始末です。もう少し時間があれば、幕府の洋風軍隊化が完成し、余計な戦争をせずに済ませることができたのではないかと思います。孤軍奮闘し、現在の日本の礎を築いた男として、維新三傑と同じくらい、評価されてもいい男だと思います。とても面白く、歴史の勉強になる本でした。
誰でも知っている恋するときの一途な思い。恋愛小説ランキングで思い出してみませんか?
クジラの彼
図書館戦争シリーズを読んだ時も思ったのですが、有川浩さんの描く恋愛小説っていうのは本当に読んでいて心がほっこりするんです。すっごく可愛らしい恋愛で、自分もずっと昔こんな風に一生懸命人を好きになっていたなって思ったりします。クジラの彼は自衛隊の潜水艦乗りの恋人との恋愛を描いた作品で自衛官というのは自分の仕事についてとか、いる場所とか恋人であっても知らせることが出来ずに特に海に潜ってしまうと2ヶ月も連絡が途絶えたりするので2人の切ない恋の話でした。実はこの主人公は海の底という話に出てくる登場人物のその後を描いているので、そちらも一緒に読むとさらに楽しめます。この本は6編の短編からなるストーリーでどれも自衛官絡みの極上の恋愛ストーリーです。
きみに読む物語
運命的な出会いと別れ・戦争という暗い時代に翻弄され、周りの人々を傷つけ・裏切りながらも、14年という長いときを経て、純粋に真実の愛を貫き通し結ばれた二人。ここまででも、十分にドラマチックな物語であったであろうに、この物語は、さらにドラマチックで非情でありながらも、現実的な未来へと進んでいく。現代社会が抱えている病 「アルツハイマー病」を発症した最愛の人へ読み聞かせる物語。あれだけ命をかけて愛した人さえも、彼女の記憶からは消えていくのか・・・。それでも、命をかけて愛し続ける人の強さ・愛の美しさ。人間のすばらしさ。命をかけて最期の時までも無条件に人を愛することの尊さと険しさ、そして美しさを感じた一冊でした。
ナチュラルウーマン
つくづく、女でないと書けない小説だと感じた。女の同性愛の話だからではなく、行間から立ち上ってくる生々しいまでの生理感覚が、まさに女特有のものだから。愛するということは、自分の身を削って、すり減らしていくことなのだろうか。でもそれこそが青春なのかも知れない。どんなに絶望しても裏切られても、人は愛することをやめられないのだから。こんなに痛い恋愛はないのかもしれません。好きで好きでたまらないのに、一緒にいるとお互いの身を削っていくような恋愛。身体も心もヒリヒリするような交わり。こ気味よく展開される甘くて痛い会話。 どれも読んでいてきりきりするような痛さを伴うのに、なぜかうっとりとしてしまう。読みながら彼女たちの関係にどこか憧れをもってしまう。それはたぶん彼女たちの関係がとてもピュアだから。日々の生活で忘れてしまいそうなくらい、痛いほどの純粋さ。 おばあちゃんになっても、私は本棚からこの本を取り出して、うっとりと彼女たちの関係の中にヒリヒリとしながら夢を見そうな気がします。
禁断のアダルト世界小説のランキング。大人のあなたにおススメです。
王朝恋闇秘譚
個人的な意見ですが、山藍先生は絶対に歴史物がいい!登場人物に加味される彼女独特の香り立つような品位が、自然にしっくりします。本書も調度小物に至るまできっちり調べて表現されており、BL小説を読んでいて時折感じる稚拙さやイライラ感が全くありません。こういう気配りが出来るのがトッブゆえなんでしようね。人物描写も少ない言葉で、すっと深くえぐっていつのまにかこちらの心に浸透して来る。しかも,官能小説と銘打つだけあって絶え間ない濡れ場を重ね乍ら,きちんと関係性や心情変化が語られて行く。最後の爽快感も希有。ジャンル分けなしに、もっと評価されて良い作家だと思います。山藍先生らしいエロスに溢れた作品です。美しい綾王は存在するだけで男達を虜にするのです。よく考えつくわ~と思う程の無体をされる綾王が健気で哀れですが、それも仕方のない事かもと思ってしまいます。美しさは罪・・・そして責められるのが似合ってしまうのですから。久々に耽美を堪能させて頂きました。
ときめきとせつなさ。誰でもが知っている思いがここにあります。心が動く切ない小説のランキングです。
失はれる物語
植物人間状態になった主人公と愛する妻との途中までは純愛のような流れだったのですが、途中からそこに切なさが加わり、ラストは何とも言えず悲しくなりました。寝たきり状態の主人公が妻と意思の疎通を図るためには僅かに残った腕の感覚と唯一動く指先一本しかありません。その二つで来る日も来る日も妻と心の会話をします。妻が腕をピアノに見立て、主人公に曲を弾いてくれるのですが、そんなことでしか外界と接触できない主人公の不憫さといったらありません。おまけにこの主人公、思考だけは理路整然とハッキリしているものだから、より体が動かないということが切なくもどかしく感じます。そしてラストは孤独になってしまった主人公の気持ちを考えると作り物の小説と分かってはいても胸が締め付けられるような思いがしました。
世界中が雨だったら
純粋で優しすぎるほど優しい男たちが主人公の3つの短編で、どれも苦しくなるほど切ないです。それは心がキュンとするようなものではなく、悲しさをはらんだ切なさ。彼らの魂が清らかで純粋であるが故に、犯罪に巻き込まれていく…待ってよ、ちょっと待ってよ、どうして彼がそんな目に遭わなきゃいけないの?と思わずにいられません。繊細できれいな文章なのに読み進めるのが怖く、どうかそっちの方向へは行かないで思いとどまってと願う気持ちと、何もかもから解放してあげたい気持ちが交錯します。予備知識もなく「世界中が雨だったら」というタイトルを見た時は、何かロマンチックな響きさえ感じました。しかし、実際はなんと絶望的な問いかけか…。心臓をぎゅっとつかまれたような痛みが走りました。世界中が雨だったら?-この問いに対する答えを考えながら多くの人に読んでもらいたい一冊です。
青の炎
「青の炎」は本当に切ないです。全体的には科学の難しい内容かな、単なる犯罪の話でしょ、というかんじなのですが、違います。主人公の家族への愛が感じられる作品なんです。だからこそ切ない。最後に主人公は事故に見せかけて自殺をしてしまうんですが、どこからそれを思っていたのかもしかしたら殺人をおかしてしまったときから思っていたのかもしれないのかな、ともかんじられる作品です。展開としては主人公が同級生に少しずつばれていってしまうんですが、もしかしたら最初から、殺した相手が家を占領し始めたところから自殺を考えていたのかもなんて思ってしまいます。貴志祐介作品は他のも読んだのですが、これは一味違って人の無情さそして悲しさ、切なさがあふれる作品です。
マニアの人も唸ってしまうようなミステリー小説のランキングがここにあります。
斜め屋敷の犯罪
斜め屋敷の犯罪は島田荘司さんの名探偵御手洗潔のシリーズの一冊で、本格ミステリーファンにこそオススメしたい名作です。舞台は北海道のある高台にある斜めに傾いた屋敷流氷館でそこで起こる密室殺人をテーマにした小説です。事件が起きて名探偵が謎解きをするというのはミステリー定番ですが、この小説の見せ場は驚くべき視覚のトリックだと言えます。キレイに騙された時ほど嬉しくなってしまいますし、私は何よりこのシリーズは御手洗さんのエキセントリックなキャラクターに魅力を感じます。初期の作品ほどその傾向が強くこの作品は御手洗さんの性格もですし、何より本格ミステリー色の強さも好きです。また作品が好きな人にオススメしたいのは同じく島田さんの作品で「異邦の騎士」でこの作品のトリックもラストにどんでん返しな手法が使われていて楽しく読めました。
占星術殺人事件
この小説を初めて読んだときには、ラストで衝撃を受けたものです。今現在ならこういうトリックもありかなと思うのですが、当時はまだミステリー小説にハマり出した直後だったので、最後まで読んでもう一度読み返してしまったほどです。ただこのトリックは現在では絶対に通用しないものです。物語の時間軸が戦後間もない頃を設定しているからこそのトリックです。さらに究極の女性「アソート」を作り出そうとする犯人や、そのための死体の欠損など、ミステリーでありながら古きよき時代の恐怖小説にも通じるものがあり、読み進めながら背筋がゾクゾクとしました。そして意外すぎる犯人がわかった時の驚きは、いまだに忘れることができません。とっくに物語から退場していたと思っていた人物だったのですから、まさかといった思いでした。
聯愁殺
連続殺人事件の被害者に面識はなく、共通点も見当たらない。襲われた理由を知りたいと望む、唯一の生き残り被害者の梢絵のために集まったのは、現役刑事・県警OB・ミステリ作家・犯罪心理学者たち。推理の専門家集団「恋謎会」メンバーによる調査で明らかになる共通項、次々と繰り広げられる名推理ととんでも推理、一体どれが正しいのか?動悸探しがひと段落した後に続くまさかの新展開は、西澤保彦氏ならではと思えるミステリ小説。毎度お馴染みの難読人名のオンパレードで、何度も人名確認をしていると、テンポが乱れて楽しみも半減してしまいます。特に恋謎会メンバーの推理合戦は、勢いあってこそ楽しめるものですので、人命を正しく読む事は放棄して、記号として認識してしまうことをお勧めします。人の心の闇を感じさせる一風変わったミステリ小説なので、ズバっと解決スッキリ気分を望んでいるかたには不向きかも知れません。
ホモ小説のランキング作品には、癒しともいえるほどのキレイな恋愛感情が描かれています。
幼馴染み
懐かしいですねえ~。20年前もこんなの読んでた自分がありありと思い出されます。確かあの時期のボーイズラブは「少年愛」と銘打って、竹宮さんのジルベールに代表されるような、めくるめく朕美の世界が展開されていましたが、この「幼馴染み」は当時には珍しい学ラン物だったと思います。なんせ20年前ですから・・・記憶も曖昧で間違ってたらすみません。薔薇も百合もシルクのブラウスも出てこないこの作品は、結構はまった記憶があります。学生を見ると「もしかしてこの人も・・・」とよからぬ想像をしてましたねえ。今でこそ珍しくもない同性愛ですが20年前は「禁断」でしたから。今回読み直して感じたのは明の甘々のセリフがどうにも想像しづらかった事ですね。例えば「・・・しちゃった」等。あのイラストのキャラだと、冷た~いキャライメージが先行してしまいましたが、これは個人の好みの問題だと思いますので。吉原さんはこの後「間の楔」等を発表されますが、これがとにかく重い・・「うへぇ~」とか言いながら読んでたので(嫌いじゃないですよ)、この「幼馴染み」はなんとさわやかなお話なんだ!と再認識した記憶があります。今、ボーイズラブにはまっている若い方々、一度お読み下さい。
王朝恋闇秘譚
この小説は、完全に男性同士の愛を描いている小説です。しかし、それだけではないのです。兄弟の愛、そしてその中で揺れ動く切ない感情、その場面における歴史的背景等、見ていると、どんどん気持ちが動いていくことがわかります。官能小説であるのですが、いやらしさを全く感じることがないのです。その反対に、その感情を読み取っていくたびに、美しいと想うこともできるのです。そのため、色々な感情を合わせて楽しむことができる、そんなホモ小説であると思っています。男性同士、兄弟愛、歴史、全てにおいて、とても納得をすることができます。そしてその上で、読んだ後に、もう一度読んで、気持ちを理解したいと思ったりしました。奥の深い、そんな小説です。
背徳のマリア
正直、アンビリーバブルでクレイジーな展開についていけないというのが正直なところでした。私自身、性についての考え方がむかしからオーソドックスでかつ周囲にも自分と明らかに異なる性への接し方を行う人間が男性、女性ともにいませんでしたので。この小説は同性愛が是か非かという簡単な割り切りではなく、人間対人間思いもよらない愛情、性欲、動物としての子孫を残すべく本能を取り上げています。こうした少しアンビリーバブルな展開、同性愛、異質な性交流に興味がある方にはおすすめできる小説ですがこうした展開に興味がない、または受け入れられないという方には気持ちよく読んでもらえないのであまりお勧めできないというのが正直なところで宇です。読み手によって評価は分かれるところでしょうか。
非日常の世界を味わいたいなら、人気のファンタジー小説ランキング作品を。
ゲド戦記
「影との戦い―ゲド戦記」は、ル・グウィン作のファンタジー小説です。主人公のゲドは魔法の才能に恵まれていて、偉大なる魔法使いオジオンに見込まれ弟子になります。その後魔法学院での修行時代があったり親友との出会いがあったりなど魔法学園モノのファンタジー小説の定番のようなシチュエーションが多くあるのですが、このゲド戦記は少し暗い雰囲気が全編に渡って漂っています。その理由はというと、書名にもなっている「影との戦い」が物語の主軸に据えられているからです。この影というのは実はゲド自身の内面を表しているものです。普通は魔法ファンタジー物語というと、最後は悪の魔王を魔法で倒してめでたしめでたしとなりそうなものです。しかしこのゲド戦記では自分の内面を見直すということがテーマになっているため、勧善懲悪のような単純なストーリーではないところにとても魅力を感じました。
ブレイブストーリー
はじめの方は、主人公の亘の両親の離婚騒動でドロドロした感じなのかな・・・と思っていましたが、要御扉を見つけて幻界への旅がはじまり、一気にファンタジーの世界へ引き込まれていきました。幻界で出会って一緒に旅する仲間になったキ・キーマやミーナとの友情、ワタルを幻界に誘ったミツルとの関係などのエピソードから、ワタルがどんどん成長していくのをわくわくしながら読み進めました。いろんな町に立ち寄って、それぞれ何かしらのイベントがあり、ほんとにゲームをプレイしているような気分にさせられる小説だと思います。最後に「大いなる光の境界線」を貼りなおす人柱となったミツルとロンメル隊長・・・1000年とは、物語とはいえ気が遠くなりそうでした。
エラゴン―遺志を継ぐ者
剣と魔法、そしてエルフやドラゴンやモンスターの出てくる世界という正統派ファンタジー小説だと思います。初めて手にとった時はずっしりとしたボリュームのある本だったので読むのが大変かなと思いましたが、少年と生まれたばかりのドラゴンが色々な経験を通して成長していく物語をワクワクしながら夢中で読んでしまいました。よくあるファンタジー小説のようにドラゴンは悪者として登場してくるのかなという予想もいい方に裏切られました。ドラゴンの卵自身が選んだ乗り手の元で孵り、乗り手と心で会話したり能力を共有したりと強い絆で結ばれている様子を、ファンタジーが好きな私は、うらやましいような気持ちになりながら読みました。次の展開を知りたくて最後までどんどん読み進めてしまいましたが、今度読む時はゆっくりと物語のシーンを想像しながら読んでみたいと思います。
ドキッ!ゾクッ!どんでん返しのある小説は一度ハマルと抜け出せません。ランキング作品は特に病みつきに。
殺戮にいたる病
日本のどんでん返し小説を語るうえで絶対にはずせない一作。最近ではもう枯渇状態の叙述トリックを駆使した作品ですが、必ずだまされることでしょう。叙述トリックとは一般的な推理小説とは違い言葉のトリックを用いて読者をだますタイプのものを指します。多くの場合最後の最後で今まで想像していた世界感が全く違ったものになります。私は数々の叙述トリックの小説を読んできて免疫ができてしまい、どんでん返しな小説には最近出会っていませんでした。そんな中殺戮に至る病には見事に騙されました。だまされることの爽快感を味わえる数少ない作品の一つです。絶対に読むべきです。変に構えずに読んでいきましょう。まあ疑ってかかって読み進めても必ず騙されますが。それほど強烈なインパクトを持った作品です。
噂
どんでん返し系の小説を読み漁っていた時期にこの小説に出会いました。帯に記されていた「衝撃のラスト一行に瞠目!」というコメントに惹かれて購入しました。内容としては、とても読みやすいものでした。文章もすっきりとしていて、刑事もののサスペンスとしてさりと読める文章でした。ここからどうやってラスト一行でどんでん返しに持っていくのかということが気になって仕方ありませんでした。伏線があるのでは、と深読みしながら読み進めました。そして、最後の1行はさすがの一言です。これまで読んだどんでん返しものの叙述トリックとはまた一味違う、1行にひっくり返るということに納得ができました。こういった、どんでん返しものは前もって、どんでん返しがあると分かって読むと構えてしまうところもあるので、できれば知らずに読んですっかり騙されたいという思いもありながらよく読んでいます。
葉桜の季節に君を想うということ
本の帯に書かれていたどんでん返しという言葉に誘われて、読み始めました。ミステリー小説にハマっていた時期で、どんなどんでん返しが待っているのかと期待を膨らませながら読み進め、終わりを楽しみにしていたけど、自分が期待しているようなどんでん返しではなかった。小説の内容は面白かったですが、どんでん返し?と首をかしげるような終わり方で、おそらくもう一度読み返してみたら、違う面白さも出てくるのかもしれませんが、少し裏切られたような気持ちになったので、読み返すこともありませんでした。人によっては確かに、大どんでん返し!になると思いますが、期待して読んでいた分、本当に残念に思います。本の帯に少しだまされてしまったなと思う小説でした。